営業30年の営業部長が解説する不動産営業の仕事内容全貌と成功への道

不動産の営業って、具体的にどんな仕事をするんだろう?――多くの方がそう考えているのではないでしょうか。不動産営業は、人々の人生における大切な買い物や住まい探しに深く関わる、非常にやりがいのある仕事です。

私は不動産業界で30年間の経験を持つ営業のプロフェッショナルとして、数百名もの営業マンを指導してきました。その経験から言えることは、不動産営業は決して特別な才能や能力が必要な仕事ではないということです。

むしろ、正しい知識と技術を身につけ、誠実に実践していけば、誰でも確実に結果を出せる仕事です。不動産営業として2年目から全国営業ランキングトップ50に名を連ね、その後も約2000名の営業マンの中で上位0.5%以内の成績を何度も達成してきた経験から、そう断言できます。

しかし、やみくもに営業活動を行っても成果は上がりません。成功するためには、まず不動産営業の仕事内容をしっかりと理解し、正しい方法を身につけることが重要です。

実は、私も最初から成功していたわけではありません。入社当時は商品知識も営業スキルもなく、最初の半年間は成約に結びつかない日々が続きました。しかし、正しい知識と技術を学び、誠実に実践していくことで、2年目には全国営業ランキングトップ50に入ることができました。その後も約2000名の営業マンの中で上位0.5%以内の成績を何度も達成してきました。

なぜそれが可能だったのか。それは、不動産営業が特別な才能ではなく、「再現性のある技術」だからです。私はこの30年間で数百名の営業マンを指導してきましたが、真摯に努力を重ねた方は、必ず成功を収めています。

というわけでこの記事では、不動産営業の具体的な仕事内容から、成功するために必要な要素、そしてキャリアパスまで、私の経験に基づいて詳しくご説明していきます。

この記事で分かること
  • 不動産営業の3つの種類と具体的な業務内容
  • 1日のスケジュールと年間の業務サイクル
  • 必要なスキルと資格について
  • 給与体系と収入の仕組み
  • 不動産営業で成功するために必要な要素
  • キャリアパスと将来性
  • 結果を出すための具体的な方法

1.不動産営業の仕事内容と特徴

不動産営業の仕事は、お客様の「理想の住まい」や「資産形成」という夢の実現をサポートする重要な役割を担っています。国土交通省の「不動産業実態調査(2023年)」によれば、不動産業従事者の約70%が宅地建物取引士の資格を保有しており、専門性の高い仕事であることが分かります。

1-1.不動産営業の3つの種類と具体的な業務内容

不動産営業の仕事は、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの業務内容について詳しく見ていきましょう。

不動産営業の3つの種類
  • 不動産販売営業:新築物件の販売を担当
  • 賃貸仲介営業:賃貸物件の仲介を担当
  • 売買仲介営業:中古物件の売買仲介を担当

1. 不動産販売営業

新築マンションやアパート、戸建て住宅など、新しい物件を販売する営業です。開発業者やハウスメーカーに所属し、物件の魅力をお客様に提案していきます。モデルルームでの接客や、資金計画の提案、契約手続きのサポートなどが主な業務となります。

販売営業の特徴は、お客様の人生における大きな買い物に関わることができる点です。住宅ローンの相談から、間取りの提案、入居後のアフターフォローまで、長期的な関係を築きながら仕事を進めていきます。

2. 賃貸仲介営業

賃貸物件を探しているお客様に、最適な物件を紹介する仕事です。お客様のニーズをヒアリングし、条件に合った物件を提案していきます。物件案内や契約手続きの説明、家主様との交渉なども行います。

賃貸仲介の魅力は、比較的短期間で成果を出しやすいことです。物件紹介から契約まで、1週間から2週間程度で完結することが多く、成功体験を積み重ねやすい業務と言えます。

3. 売買仲介営業

中古住宅やマンションの売買を仲介する営業です。売主様からは物件の査定や売却活動を依頼され、買主様からは希望条件に合う物件の紹介を依頼されます。両者の橋渡し役として、価格交渉や契約条件の調整なども行います。

売買仲介の特徴は、1件あたりの報酬が大きく、専門的な知識と経験が活きる点です。物件の価値を適切に見極め、双方が満足できる条件で取引をまとめていく高度なスキルが求められます。

この3つの種類は、それぞれに特徴があり、求められるスキルも異なります。しかし、いずれもお客様の夢や目標の実現をサポートする、非常にやりがいのある仕事であることは共通しています。

次は、それぞれの業務における具体的な1日の流れと、年間を通じての仕事の特徴についてご説明していきます。

1-2.1日のスケジュールと年間の業務サイクル

ここでは、不動産営業の具体的な1日の流れと、年間の業務サイクルについてご説明していきます。

不動産営業の1日のスケジュール

不動産営業の1日は、朝9時の出社から始まります。最初の30分は物件情報のチェックと、その日の活動計画を立てることに使います。

9時30分から12時までは、物件案内の準備や、お客様との商談、物件調査などを行います。お客様の都合に合わせて動くことが多いため、柔軟なスケジュール管理が求められます。

12時から13時の休憩時間は、明日の準備や情報収集に充てることもあります。総務省の「就業構造基本調査」によると、不動産業の平均労働時間は週40時間とされていますが、お客様の都合に合わせて柔軟に対応することで、より大きな成果を上げることができます

13時から17時は再び営業活動の時間です。物件案内や契約の立ち会い、新規のお客様との打ち合わせなどを行います。17時以降は、その日の業務の整理と翌日の準備を行い、通常18時頃に退社となります。

年間の業務サイクル

不動産営業の繁忙期は、主に以下の時期に訪れます。

3月から4月:転勤や進学による引っ越しシーズンのため、賃貸仲介が最も忙しくなります。

9月から10月:秋の引っ越しシーズンで、再び賃貸の需要が高まります。

年末年始:持家の購入を検討する方が増えるため、売買仲介や販売営業が活発になります。

1-3.必要なスキルと資格

不動産営業の仕事内容と1日のスケジュールについて見てきましたが、ここからは具体的にどのようなスキルと資格が必要なのか、詳しくご説明します。

必要なスキル

不動産営業に必要なスキルは、大きく3つあります。

1つ目は、コミュニケーション力です。お客様の本当の希望や悩みを理解し、最適な提案をするためには、単なる会話力ではなく、相手の気持ちに寄り添える力が重要になります。

2つ目は、情報収集・分析力です。地域の相場観や、物件の特徴、周辺環境など、お客様の意思決定に必要な情報を的確に収集し、分かりやすく説明する必要があります。

3つ目は、提案力です。お客様のニーズに合わせて、住宅ローンの計画や物件の選定など、具体的な提案ができる力が求められます。

必要な資格

不動産営業で最も重要な資格は「宅地建物取引士」です。これは、不動産取引の重要事項を説明する際に必要となる国家資格です。合格率は例年15%から20%程度ですが、しっかりと準備をすれば、未経験でも十分に取得可能な資格です。

他にも、FP(ファイナンシャル・プランナー)の資格があると、住宅ローンや資金計画の提案でより専門的なアドバイスができるようになります。

1-4.給与体系と収入の仕組み

不動産営業の収入は、基本給とインセンティブ(歩合給)で構成されています。国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、不動産業の平均年収は約550万円で、全産業平均の約450万円を上回っています。

具体的な収入例を見ていきましょう。

▼不動産営業の標準的な年収モデル
経験年数 基本給 インセンティブ込み
1年目 24万円~ 350万円~
2年目 26万円~ 500万円~
3年目 28万円~ 650万円~
5年目 32万円~ 800万円~
10年目~ 40万円~ 1000万円~
※経験者インタビューを基に作成。成果により大きく変動する可能性があります。

基本給

基本給は会社によって異なりますが、新卒入社1年目で月20万円から25万円程度が一般的です。経験を積むことで段階的に上がっていきます。

インセンティブ制度

成果に応じて支給されるインセンティブは、努力が直接収入に反映される魅力的な制度です。例えば、1件の契約で数十万円のインセンティブが支給されることも珍しくありません。

具体的な収入例:Dさんの場合

実際に私が指導した営業マンDさんの例をご紹介します。

1年目:基本給24万円+インセンティブで年収380万円
2年目:基本給26万円+インセンティブで年収520万円
3年目:基本給28万円+インセンティブで年収680万円
5年目:基本給32万円+インセンティブで年収850万円

Dさんは、徹底した準備と誠実な対応を心がけ、顧客からの紹介案件を増やすことで、着実に成果を上げていきました。特別な才能ではなく、正しい行動の積み重ねが、収入の安定的な向上につながった好例です。

このように、不動産営業は努力が収入に直結する職種と言えます。正しい知識と技術を身につけ、誠実に実践していけば、年収1000万円以上も決して夢ではありません。私の30年の経験上、コツコツと努力を重ねた方は、必ずこのレベルの収入を実現できています。

では次に、具体的にどのような要素が成功につながるのか、詳しく見ていきましょう。

2.不動産営業で成功するための3つの要素

不動産営業は、決して特別な才能が必要な仕事ではありません。しかし、成功するためには、必ず押さえておくべき重要な3つの要素があります。

それが次の3つです。

不動産営業で成功するための3つの要素
  • 知識とスキルの習得:商品知識、商談力、価格交渉力
  • 必要なマインドセット:誠実さ、学習意欲、お客様視点
  • 行動特性と習慣:時間管理、情報管理、行動量の確保

これは、私が数百名の営業マンを指導してきた経験から導き出した結果を出すための重要な要素なので、詳しく解説していきます。

2-1.知識とスキルの習得

まず最も重要なのは、不動産営業に必要な知識とスキルを体系的に習得することです。

商品知識

不動産営業にとって、扱う商品の知識は必要不可欠です。建物の構造や設備、法規制、税制など、幅広い知識が求められます。しかし、全ての知識を最初から完璧に持っている必要はありません。大切なのは、お客様に必要な情報を必要なタイミングで提供できる力を身につけることです。

商談力

商談では、お客様の本当のニーズを引き出し、適切な提案をする力が重要です。例えば、「家を探している」というお客様の言葉の裏には、「将来の資産形成をしたい」「家族が快適に過ごせる環境が欲しい」といった本質的な願望が隠れています。このような潜在的なニーズを理解し、それに応える提案ができるかどうかが、成約率を大きく左右します

価格交渉力

価格交渉は、お客様と売主様の双方が納得できる条件を見出すための重要なスキルです。ただし、価格交渉は決して相手を説得することではありません。双方にとって価値のある提案を行い、Win-Winの関係を築くことが本質です。

成功事例:新人営業マンAさんの場合

入社1年目のAさんは、最初の3ヶ月間で一件も成約できませんでした。しかし、お客様との会話を全て記録し、その内容を先輩に相談しながら、少しずつ商品知識と提案力を磨いていきました。特に、住宅ローンの知識を徹底的に学び、お客様の家計に合わせた具体的な返済プランを提案できるようになったことで、成約率が大きく向上。2年目には月間MVPを獲得するまでに成長しました。

重要なのは、知識やスキルは、日々の小さな積み重ねで確実に身につけられるということです。完璧を目指す必要はありません。まずは基本を押さえ、実践の中で少しずつレベルアップしていけばよいのです。

2-2.必要なマインドセット

次に重要なのは、成功するための心構えです。不動産営業で最も重要なのは、お客様の人生における大きな決断に関わる重要な仕事だという認識を持つことです。

誠実さの重視

不動産取引は、お客様にとって人生で最も大きな買い物の一つです。そのため、短期的な売上を追求するのではなく、お客様にとって本当に価値のある提案をする誠実さが不可欠です。

継続的な学習意欲

不動産市場は常に変化しています。新しい法規制や商品知識、営業手法を学び続ける姿勢が必要です。学ぶことを怠れば、お客様に最適な提案ができなくなってしまいます

お客様視点の徹底

常にお客様の立場に立って考え、行動することを心がけましょう。「この提案は本当にお客様のためになるのか」という視点を持つことで、自然と信頼関係が構築されていきます

成長事例:人生を変えた営業マンEさん

入社時は「営業は自分に向いていない」と悩んでいたEさんは、お客様との関わりを通じて大きく成長しました。最初の成約では、共働き夫婦の理想の住まいを提案。引き渡し時に「家族の夢を叶えてくれてありがとう」と涙ながらに感謝された経験が、仕事への向き合い方を変えたそうです。

「お客様の人生に関われることの素晴らしさに気づいてから、仕事が楽しくなりました。営業成績も自然と上がっていきました」とEさんは語ります。不動産営業は、お客様と共に成長できる、非常にやりがいのある仕事なのです。

2-3.行動特性と習慣

最後に、日々の行動特性と習慣についてお話しします。成功している不動産営業マンには、必ず共通する行動パターンがあります

時間管理の徹底

成功している営業マンは、限られた時間を効率的に使います。特に、商談のない時間は必ず「準備」に使うという習慣を持っています。例えば、市場動向の調査や、物件情報の整理、商談の準備などを行います。

情報管理の習慣化

お客様の要望や商談内容、次回のアポイントなど、全ての情報を細かく記録する習慣をつけましょう。これは単なる記録ではなく、お客様との信頼関係を築くための重要なツールとなります。

行動量の確保

成功している営業マンに「才能がある」とは限りません。しかし、必ず「行動量が多い」という特徴があります。営業活動の質を高めることは重要ですが、一定の量を確保することも同様に大切です。

このように、不動産営業で成功するためには、知識・スキル、マインドセット、行動特性という3つの要素が重要です。これらを意識的に身につけていくことで、確実に成果を上げることができます

では次に、これらの要素を身につけながら、具体的にどのようなキャリアを築いていけるのか、見ていきましょう。

3.不動産営業のキャリアパス

不動産営業には、明確なキャリアパスが存在します。厚生労働省の「雇用動向調査」によると、不動産業への新規参入者は年間約20万人いますが、成長できるかどうかは、その後の努力と実践にかかっています。

3-1.新人からトップセールスまでの成長ステップ

不動産営業で成功するためには、段階的な成長が重要です。私の30年の経験から、以下のような成長ステップが最も効果的だと確信しています。

不動産営業の成長ステップ
  • 1年目:基礎固めの時期
  • 2年目:成果を出し始める時期
  • 3~5年目:安定期

1年目:基礎固めの時期

入社後最初の1年は、基本的な知識とスキルを習得する期間です。この時期に大切なのは、先輩の営業に同行して、実践的な商談の進め方を学ぶことです。また、宅地建物取引士の資格取得を目指すことで、専門知識も着実に身につきます。

2年目:成果を出し始める時期

基礎固めを終えた2年目からは、自分の担当エリアを持ち、主体的に営業活動を行います。この時期に意識すべきは、小さな成功体験を積み重ねることです。私自身、2年目から全国営業ランキングトップ50に入ることができましたが、それは地道な努力の積み重ねがあったからです。

3~5年目:安定期

3年目以降は、経験を活かして安定した成果を出せるようになります。この時期に成長できるかどうかが、その後のキャリアを大きく左右します。成功のポイントは、自分なりの営業スタイルを確立することです。

▼不動産営業の成長ステップと習得すべきスキル
成長段階 習得すべきスキル
入社直後 ・基本的な商品知識
・接客マナー
・資格の勉強
1年目 ・物件案内の方法
・お客様のニーズ把握
・商談の基本的な進め方
2年目 ・独自の営業スタイル確立
・資金計画の提案力
・価格交渉力
3年目以降 ・市場分析力
・後輩の指導力
・高度な提案力

3-2.管理職への道

不動産営業には、プレイヤーとしての道だけでなく、管理職としてのキャリアパスも用意されています。内閣府の「男女共同参画白書」によると、不動産業界の管理職比率は約15%で、全産業平均を上回っています。

営業所長としての役割

営業所長は、単なる管理者ではありません。部下の成長をサポートし、組織全体の成果を最大化する重要な役割を担います。私自身、15年間の営業所長としての経験から、「人を育てる」ことの重要性を実感しています。

マネジメントに必要なスキル

管理職に求められるのは、個人の営業スキルに加えて、チームマネジメント力です。特に大切なのは、部下一人一人の特性を理解し、それぞれの成長をサポートする力です。

3-3.将来の選択肢と可能性

不動産営業で身につけたスキルは、様々な形で活かすことができます。厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、不動産業の求人倍率は1.8倍と高く、キャリアの選択肢も豊富です。

独立開業

経験を積んだ後の選択肢として、独立開業があります。不動産業は、個人の努力と実力が直接成果に結びつく業界です。そのため、実力のある方であれば、独立して成功するチャンスは十分にあります。

専門分野への特化

投資用不動産や収益物件など、特定の分野に特化してキャリアを築くことも可能です。専門性を高めることで、より高度な提案ができ、それに応じて収入も増えていきます

関連業界への転身

不動産営業で培った経験は、金融機関やコンサルティング会社など、関連業界でも高く評価されます。営業力や不動産の専門知識は、様々な場面で活かすことができます

具体的成功事例:独立開業したBさんの場合

私が指導した営業マンの中に、10年間の経験を活かして独立したBさんがいます。最初は小さな事務所からスタートしましたが、これまでの信頼関係を活かして着実に顧客を増やし、現在では社員10名を抱える会社に成長しました。

Bさんは「不動産営業で学んだ”お客様第一”の姿勢が、経営でも最大の武器になっています」と語っています。このように、不動産営業で身につけたスキルは、独立後の経営にも大きく活きてくるのです。

実例:事業承継を選んだCさんの場合

また、営業経験を活かして実家の不動産会社を承継したCさんは、これまでの経験を活かして社内の営業改革を実施。1年で会社の業績を2倍に伸ばすことに成功しました。

このように、不動産営業でのキャリアは、単なる営業職としての成長だけでなく、経営者としての道も開ける可能性を秘めています。大切なのは、目の前の仕事に真摯に取り組みながら、自分の将来の可能性を広げていく意識を持つことです。

次は、具体的にどのように成果を上げていけばよいのか、実践的な方法をご説明していきます。

4.不動産営業で結果を出すための具体的な方法

ここまで、不動産営業の仕事内容や成功するための要素、キャリアパスについてお話してきました。ここからは、具体的にどのように結果を出していけばよいのか、実践的な方法をご説明します。

4-1.初回接客での成約を実現する手法

不動産営業で最も重要なのは、初回の接客です。実は、9割のお客様は初回の接客で購入を決断します。初回接客で成功するためのポイントは以下の3つです。

初回接客で成功するための3つのポイント
  • 事前準備の徹底:お客様情報の収集と物件の下調べ
  • 最初の5分を大切に:信頼感を生み出す最重要時間
  • 価格に関する話は早めに:予算の不安を早期に解消

事前準備の徹底

初回接客の成否は、その前の準備で決まります。特に重要なのは、お客様の情報収集と物件の下調べです。お客様のニーズに合った物件を3つ程度、具体的な提案ができる状態で接客に臨むことが大切です。

最初の5分を大切に

初回接客で最も重要なのは、最初の5分間です。この時間でお客様に「この営業マンなら任せられる」と思っていただくことが、成約への近道となります。まずは、お客様の来店目的をしっかりと確認し、専門家として適切なアドバイスができる態勢を整えましょう。

価格に関する話は早めに

多くの営業マンは価格の話を後回しにしがちですが、それは間違いです。お客様は予算に関する不安を抱えています。この不安を早めに解消することで、その後の商談がスムーズに進みます

4-2.信頼関係を構築する秘訣

初回接客での対応について見てきましたが、そこで重要となるのが信頼関係の構築です。信頼関係を築くには、「親切な営業マン」ではなく「役立つ営業マン」を目指すことが重要です。

正直な情報提供

物件の良い点だけでなく、気になる点も正直に伝えましょう。たとえ一時的に契約を逃すことになっても、誠実な対応は必ず信頼につながります。例えば、「この物件は日当たりが良くないので、光熱費が高くなる可能性があります」といった情報も、積極的に共有すべきです。

専門家としての提案力

お客様は、ただの物件紹介ではなく、専門家としての意見を求めています。「この地域の相場からすると割高です」「将来の資産価値を考えると、別の選択肢もあります」など、時にはお客様の考えに異論を唱えることも必要です。

成功事例:20年の信頼関係

私の同僚だったFさんには、20年以上付き合いのあるお客様が数多くいます。その中の一組は、新婚時代にマンションを購入したご夫婦。子育て期に戸建てへの住み替え、子どもの独立後にはマンションへのダウンサイジング、さらに次世代の住宅購入まで、全て任せていただいているそうです。

「最初の取引で、無理な購入を止めたことが信頼につながりました。その後も家族構成の変化に合わせて、適切なタイミングで提案させていただいています」とFさんは語ります。

このような長期的な信頼関係を築けることが、不動産営業の最大の魅力の一つです。一時的な売上ではなく、お客様の人生に寄り添うパートナーとして、末永い関係を築いていけるのです。

4-3.安定した成果を出し続けるための習慣

一時的な成功ではなく、安定した成果を出し続けるためには、確実な習慣づくりが重要です。単なる思いつきや、その場の頑張りだけでは、継続的な成果は望めません

情報収集と整理の日課化

不動産市場は日々変化しています。毎日30分でも時間を決めて、市場動向や物件情報、法改正などの情報をチェックする習慣をつけましょう。この習慣があれば、お客様との商談でも自信を持って対応できます。

商談記録の徹底

お客様との会話や要望は、必ず記録に残します。「あのとき言われていたことを覚えている」と、後日お客様に伝えられるだけでも、大きな信頼につながります。記録を取る習慣は、単なる備忘録ではなく、信頼関係を築くための重要なツールなのです。

翌日の準備を欠かさない

毎日の業務が終わったら、必ず翌日の準備をします。明日の商談の資料作り、スケジュール確認、必要な情報収集など、前日に済ませておくことで、当日は余裕を持って対応できます。この習慣は、成功している営業マンに必ず見られる特徴です。

成功している営業マンの1日のルーティーン

私の経験上、成果を出し続けている営業マンには、必ず以下のような習慣が身についています。

朝:その日の重要な商談前に、必ず30分の準備時間を確保
昼休み:新着物件情報のチェックと、午後の準備
夕方:翌日の準備と、その日の商談記録の整理
週末:市場動向の分析と、来週の行動計画作成

このような習慣を身につけることで、「準備不足による機会損失」を防ぎ、安定した成果を出し続けることができます

困難な状況を乗り越えるためのポイント

誰しも調子の悪い時期はあります。そんな時は、以下の3つを意識することで必ず状況は改善します。

  1. 基本に立ち返る:商品知識の復習、基本的な接客マナーの見直し
  2. 先輩や上司に相談:一人で抱え込まず、具体的なアドバイスをもらう
  3. 小さな目標を設定:大きな目標を小分けにして、達成感を積み重ねる

私の30年の経験上、この3つを実践した方で、成果が改善しなかった人は一人もいません。

おわりに

不動産営業は、お客様の人生における大きな決断に関わる、非常にやりがいのある仕事です。確かに簡単な仕事ではありませんが、正しい知識と技術を身につけ、誠実に実践していけば、必ず成果は付いてきます

私はこれまでの30年間、数百名の営業マンを指導してきましたが、真摯に努力を重ねた方は、必ず成功を収めています。最初から完璧な営業マンはいません。大切なのは、一歩一歩着実に成長していく姿勢です。

不動産営業は、経済的な成功だけでなく、人間的な成長も約束してくれる仕事です。お客様の夢の実現をサポートし、その喜びの瞬間に立ち会えることは、何物にも代えがたい充実感を与えてくれます。

「お客様の人生に関われる仕事に就けて良かった」

これは、多くの成功した不動産営業マンが口にする言葉です。きっとあなたも、不動産営業を通じてそう感じる日が来るはずです。

今回ご紹介した内容は、不動産営業の基本的な部分です。しかし、この基本を忠実に実践し、日々の努力を重ねることで、必ず道は開けます。不動産営業は、あなたの努力が確実に報われる職業なのです。

ぜひ、この記事を参考に、充実した不動産営業のキャリアを築いていってください。

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