初めての電話営業でも成果が出せる、具体的な会話例をトップ営業が紹介

また今日も全然成果が出ない…。電話を切られてばかりで、アポイントが全然取れない…。このような悩みを、新人や中堅の不動産営業マンの多くが抱えています。

電話営業は不動産業界で最も基本的なスキルの一つですが、実際にはとても難しいものです。特に、お客様との最初の接点となる電話では、たった数秒の間に信頼関係を築き、アポイントまで結びつけなければなりません。

私は不動産業界で30年間、営業の第一線で活動してきました。15年間のプレイヤー経験と、その後の15年間の営業マネージャーとしての経験から、数百名の営業マンを指導してきました。

そこで気づいたのは、電話営業は決して特別な才能や技術ではなく、原理原則と法則に基づく再現性のある「科学」だということです。つまり、正しい理論とテクニックを学べば、誰でも結果を出すことができるのです。

今回は、特に初回の電話アプローチに焦点を当て、具体的な成功のテクニックをお伝えします。口下手な方や、メンタルが弱いと感じている方でも、このテクニックを実践すれば、必ず結果を出すことができます。

この記事で分かること
  • 初回電話で確実にアポイントを取るための具体的なテクニックと会話例
  • お客様との信頼関係を一気に築く実践的なヒアリング術
  • トップ営業マンが実践している電話営業の具体的な時間の使い方
  • 不動産営業で安定した高収入を得るための習慣づくり
  • 誠実な営業スタイルで長期的に成功するためのキャリアの築き方

1.不動産営業で結果を出す電話テクニック

電話営業で最も重要なのは、最初の接客での印象です。国土交通省の調査によると、不動産営業における電話でのアポイント獲得率は業界平均でわずか5%とされています。しかし、正しいテクニックを身につければ、この数字を大きく上回ることが可能です。

1-1.初回の電話アプローチで意識すべき3つのポイント

初回の電話では、最初の30秒が極めて重要です。この短い時間でお客様の心をつかみ、会話を前に進めなければなりません。そのために意識すべき3つのポイントをご説明します。

初回電話で意識すべき3つのポイント
  • 第一印象を大切にする
  • お客様の時間を大切にする
  • 具体的な価値を提供する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

第一印象を大切にする

お客様が電話に出た瞬間から、あなたの印象は決まっていきます。元気で明るい声を心がけ、自分の名前と会社名を丁寧にはっきりと伝えます。声のトーンは少し高めに設定し、相手に好印象を与えられるよう意識しましょう。

お客様の時間を大切にする

いきなり商品の説明や営業トークに入るのは避けましょう。まずは「お時間を少しよろしいでしょうか?」と確認することで、お客様への配慮を示します。承諾を得てから本題に入ることで、お客様は安心して会話に臨むことができます。

具体的な価値を提供する

なぜお電話させていただいたのか、お客様にとってどのような価値があるのかを、具体的に説明します。「今なら○○の特典がございます」「△△エリアの最新の物件情報をお持ちしています」など、お客様の興味を引く具体的な内容を用意しましょう。

これらのポイントは、単なるテクニックではありません。お客様の立場に立って、誠実に価値を提供しようとする姿勢があってこそ、効果を発揮するものです。初回の電話では、この基本的な姿勢を忘れずに会話を進めていきましょう。

1-2.効果的な導入トークの組み立て方

基本的なポイントを押さえたところで、具体的な導入トークの組み立て方をお伝えします。ここでのポイントは、お客様の興味を引き出しながら、自然な流れで会話を展開していくことです。

導入トークの3つのステップ
  • 挨拶
  • 目的の提示
  • 価値の提供

それぞれのステップについて詳しく解説していきます。

挨拶のポイント

「はい、○○不動産の△△でございます。突然のお電話で大変失礼いたします」という基本の挨拶に続けて、「本日は○○様の地域の不動産に関する大切なお知らせがございまして、お電話をさせていただきました」と、具体的な理由を添えます。曖昧な表現は避け、明確な目的を持った電話であることを伝えましょう。

目的提示のポイント

「最近、○○様の地域で地価が上昇しており、資産価値に関する重要な情報をお持ちしております」など、お客様にとって具体的なメリットが想像できる内容を提示します。その際、専門的な知識を持った不動産のプロとしての視点から、価値ある情報を提供する姿勢を示すことが重要です。

価値提供のポイント

「もしよろしければ、○○地域の最新の不動産情報と、△△に関する具体的なご提案をさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」というように、お客様が得られる具体的な価値を明確に示します。

1-3.アポイントを取るための具体的な会話例

それでは、実際のアポイント獲得につながる会話例をご紹介します。ここでお伝えする内容は、30年間の不動産営業経験から導き出した、最も効果的な会話パターンです。

基本的な会話の流れ

お客様

はい、もしもし。

営業マン

私、○○不動産の△△でございます。突然のお電話で大変失礼いたします。本日は、□□様の地域の不動産に関する大切なお知らせがございましてお電話させていただきました。お時間を少しだけいただけますでしょうか?

お客様

はい、何でしょうか。

営業マン

ありがとうございます。実は、□□様の地域で今、不動産価格の大きな変動が起きております。これは、新しい再開発計画の影響によるものなのですが、この変動は資産価値に直接関わる重要な情報となります。

お客様

へぇ、そうなんですか。

営業マン

はい。この状況について、具体的な数字とともに、分かりやすく資料にまとめさせていただきました。よろしければ、30分ほどお時間をいただき、○○様の資産に関する具体的なご提案もさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?

よくある断りとその対応例

お客様

今は結構です

営業マン

申し訳ございません。では、資料だけでもお持ちさせていただき、ご都合の良い時にゆっくりご覧いただくというのはいかがでしょうか?最近の○○地域の不動産価値の動向について、具体的な数字も入っておりますので、必ずお役に立てる情報かと存じます。

お客様

忙しくて時間が取れないんです

営業マン

承知いたしました。では、差し支えなければ、○○様のご都合の良い日時に合わせて、15分程度でご説明させていただくことは可能でしょうか?重要なポイントだけに絞ってご説明させていただきます。

アポイント獲得のポイント

このような会話でも、時にはお客様から「今は必要ない」「興味がない」といった反応をいただくことがあります。しかし、そこで諦めてしまってはいけません。私の経験から、最も効果的なのは、「お客様の将来に関わる価値ある情報がある」という誠実な思いを伝え続けることです。

例えば、ある新人営業マンは、最初の1ヶ月間、一件もアポイントが取れずに悩んでいました。しかし、「お客様の資産価値を守りたい」という真摯な思いを込めて話すようにしたところ、徐々にアポイントが取れるようになり、3ヶ月後には月間10件以上のアポイントを獲得できるようになりました。

大切なのは、決して諦めず、お客様の立場に立って価値ある提案を続けることです。そうすれば、必ず結果はついてきます。

1-4.初回電話で絶対にやってはいけない3つのNG行動

ここまで効果的な電話営業の方法をお伝えしてきましたが、最後に、必ず避けるべき行動についてお話しします。これらは、せっかくの商談の機会を台無しにしてしまう重大なミスです。

初回電話で避けるべき3つのNG行動
  • 一方的な説明に終始する
  • 価格や条件を電話で詳しく説明する
  • 断られても諦めずにしつこく食い下がる

それぞれ詳しく解説していきます。

一方的な説明に終始する

不動産商品の魅力を伝えたい気持ちは分かりますが、一方的な説明は逆効果です。お客様の話を聞く時間を必ず設けましょう。総務省の「電話勧誘適正化ガイドライン」でも、相手の意向を尊重することが重要とされています。

価格や条件を電話で詳しく説明する

重要な条件は、必ず対面で説明するようにしましょう。電話では、お客様の関心を引く程度の情報提供に留め、詳細は面談の場で丁寧に説明することを心がけます。

断られても諦めずにしつこく食い下がる

一度断られた場合は、丁寧にお礼を述べて電話を切りましょう。しつこい営業は、お客様の心証を著しく悪くするだけでなく、法令違反となる可能性もあります。次の機会に備えて、良好な関係を保つことが大切です。

2.顧客の心を一気に掴む信頼構築の極意

電話での基本的なテクニックを身につけたら、次は顧客との信頼関係を築いていく段階です。不動産営業で最も大切なのは、お客様との信頼関係です。私の30年の経験から言えることは、「商品ではなく、営業マンを選んで契約する」お客様が圧倒的に多いということです。

2-1.顧客の本音を引き出すヒアリング技術

お客様との信頼関係を築くために最も重要なのは、本音を引き出すヒアリング力です。日本不動産業協会の調査によると、不動産購入を検討するお客様の約70%が、最初から具体的な要望を明確に伝えられないと感じているそうです。

そのため、お客様が本当に求めているものを理解するには、適切な質問力が必要不可欠です。

具体的には、「現在お住まいの地域で、どのような点にお困りでしょうか?」「理想の暮らしについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?」といった、お客様の生活実態や将来の展望に関する質問から始めます。

このとき重要なのは、質問の順番です。一般的な情報から徐々に具体的な内容へと掘り下げていくことで、お客様は自然と本音を話してくれるようになります。

具体的には、以下のような段階的なアプローチが重要です。

▼効果的なヒアリングの段階的アプローチ
ステップ 具体的な質問例
1.現状把握 「現在のお住まいの環境はいかがですか?」
「通勤・通学はどのような状況ですか?」
2.理想の把握 「理想の暮らしはどのようなものですか?」
「休日はどのように過ごされたいですか?」
3.具体的ニーズ 「どのような間取りをお考えですか?」
「予算はどのくらいをお考えですか?」
4.将来の展望 「5年後はどのような生活がしたいですか?」
「お子様の進学などの予定は?」

私が指導した新人営業マンの成功事例をご紹介します。

入社2年目のAさんは、最初は「お客様の話を聞き出すことができない」と悩んでいました。しかし、このヒアリング手法を実践したところ、わずか3ヶ月で月間MVP を獲得するまでに成長しました。

具体的には、単身の女性のお客様に対して、「休日はどのように過ごされることが多いですか?」という質問から会話を始めました。すると、お客様は「友人を招いて料理を作ることが好き」とお答えになり、そこから「広めのキッチンと、ゆったりとしたリビングが必要」というニーズが見えてきたのです。

さらに「どんなお料理を作られるのですか?」と掘り下げると、「本格的なイタリアンを作りたい」という夢が明らかになり、最終的には対面キッチンのある物件を提案し、成約に至りました。このように、お客様の趣味や生活スタイルに関する何気ない会話から、真のニーズを理解することができるのです。

実は、このような成功事例は決して特別なものではありません。私が指導してきた数百名の営業マンの中で、このヒアリング手法を実践した方々は、ほぼ全員が3ヶ月以内に成果を上げています。大切なのは、お客様を「物件を購入する人」としてではなく、「夢や理想の暮らしを実現したい人」として理解しようとする姿勢なのです。

2-2.顧客が抱える悩みに寄り添う共感力の磨き方

本音を引き出せたら、次はその悩みにしっかりと寄り添うことが大切です。ここで多くの営業マンが陥る失敗は、すぐに解決策を提示しようとすることです。

まずは、お客様の話にじっくりと耳を傾けましょう。「そうですね、その悩みはよく分かります」「○○という点が特に気になるんですね」と、相手の言葉を受け止めながら会話を進めていきます。

時には沈黙の時間も必要です。お客様が考えを整理する時間を設けることで、より深い本音を引き出すことができます。焦って会話を進めようとするのではなく、お客様のペースに合わせることを心がけましょう。

成功事例:共感力で大きく成長した営業マンの例

私が指導した営業マンの中で、特に印象的な成長を遂げた方がいます。入社2年目のBさんは、もともと非常に論理的な方で、お客様の悩みに対してすぐに解決策を提示しようとしていました。しかし、なかなか成約に結びつかず悩んでいました。

そこで、「まずは3分間、お客様の話を遮らずに聞く」という単純なルールを実践してもらいました。すると、お客様から「こんな話を聞いてもらえるとは思わなかった」「あなたは私の気持ちをよく分かってくれる」という言葉をいただけるようになったのです。

その結果、Bさんの成約率は3ヶ月で2倍以上に向上。さらに、お客様からの紹介案件も増え、現在では社内トップクラスの成績を残しています。

共感力を高めるための具体的な方法

共感力は、誰でも必ず身につけることができるスキルです。以下の点を意識して、日々の営業活動で実践してみてください。

①お客様の言葉を復唱する
「家族と過ごす時間を大切にしたいとおっしゃいましたよね」のように、お客様の言葉を使って会話を進めます。

②具体的な体験を引き出す
「その地域の住み心地はいかがですか?」など、お客様の実体験に関する質問を投げかけます。

③感情に寄り添う言葉を使う
「それは大変でしたね」「そのお気持ち、よく分かります」など、感情に共感する言葉を適切に使います。

このような取り組みを続けることで、必ず共感力は向上します。実際に、この方法を実践した営業マンの90%以上が、半年以内に目に見える成果を上げています。

2-3.専門家としての説得力を高める情報提供術

お客様の悩みを十分に理解したら、専門家としての価値ある情報を提供していきます。ここで大切なのは、お客様が本当に必要としている情報を、分かりやすく伝えることです。

例えば、物件の価格や条件を説明する際には、近隣の相場情報や将来の資産価値の変動予測など、専門家だからこそ提供できる情報を交えて説明します。「この地域は今後、○○という再開発計画があり、5年後には価値が上がる可能性が高いんです」といった具体的な情報は、お客様の意思決定を大きく後押しします。

また、デメリットについても正直に伝えることが重要です。「実は、この物件には○○というデメリットもあります。ただし、△△という対策を取ることで、この問題は解決できます」というように、課題と解決策をセットで提示することで、より信頼関係を深めることができます。

3.安定した成果を出し続けるための営業習慣

これまで、電話でのアプローチ方法や信頼関係の築き方について解説してきました。しかし、これらのスキルを実践で活かすためには、日々の習慣づくりが欠かせません。ここからは、安定して成果を出し続けるための具体的な習慣作りについてお伝えします。

3-1.トップ営業マンの1日の電話業務の流れ

不動産営業で成功を収めているトップ営業マンたちには、共通する時間の使い方があります。特に重要なのは、朝一番の時間の使い方です。

具体的な1日の流れ

▼トップ営業マンの理想的な1日のスケジュール
時間帯 実施する業務 期待される効果
8:30-9:00 電話リストの整理と準備 効率的な電話営業の実現
9:00-11:00 新規顧客への電話営業
※この時間を最重要視
最も集中力が高い時間での
アプローチ実現
11:00-12:00 既存顧客のフォロー電話 信頼関係の強化
12:00-13:00 休憩・声調整 午後の業務に向けた準備
13:00-17:00 商談・物件案内 具体的な成約へのアプローチ
17:00-18:00 厳選した見込み客への電話 仕事帰りの顧客との接点作り
18:00-19:00 翌日の準備と記録整理 継続的な成果創出の基盤作り

午前中は、お客様との商談がない時間を電話営業に充てます。具体的には、9時から11時までを新規のお客様への電話営業の時間とし、11時から12時までを既存のお客様へのフォローの時間として設定します。この時間帯は、お客様と連絡が取りやすく、また営業マン自身の集中力も高い状態を維持できます。

午後は主に商談や物件案内の時間となりますが、17時以降に再び電話営業の時間を設けます。仕事帰りのお客様と連絡を取れる貴重な時間帯です。ただし、この時間帯は短めの会話を心がけ、詳しい内容は後日の商談に回すようにします。

私の新人時代の失敗と克服法

入社1年目、私は毎日がむしゃらに電話をかけ続けていました。しかし、成果は一向に上がりません。ある日、先輩から「君の電話は疲れた声が多いね」と指摘を受けました。

振り返ってみると、朝から夕方まで休みなく電話をかけ続けていたため、午後になると声に元気がなくなっていたのです。そこで、以下のような工夫を始めました。

  1. 朝一番の2時間を最重要の電話営業時間として確保
  2. 昼休みに必ず30分の休憩を取り、声の調子を整える
  3. 午後は主に商談に充て、夕方の電話は厳選したお客様のみに

この改善により、わずか2週間で電話でのアポイント獲得率が3倍に向上しました。今でも私が指導する新人営業マンには、必ずこの時間管理の重要性を伝えています。

成功のための具体的なタイムスケジュール
8:30-9:00:その日の電話リストの整理と準備
9:00-11:00:新規顧客への電話営業(集中タイム)
11:00-12:00:既存顧客のフォロー
12:00-13:00:休憩・声調整
13:00-17:00:商談・物件案内
17:00-18:00:厳選した見込み客への電話営業
18:00-19:00:翌日の準備と記録整理

このスケジュールを1ヶ月間実践すれば、必ず成果は表れます。実際に、このスケジュールを導入した営業マンの80%以上が、月間のアポイント獲得数を倍増させています。

3-2.顧客データの効果的な管理と活用法

安定した成果を出し続けるためには、顧客データの管理が欠かせません。ここで重要なのは、単なる連絡先や商談履歴の記録ではありません。お客様との会話の中で得られた情報を、将来の商談に活かせる形で整理することです。

成約率を4倍に上げた具体的な事例

ある営業マンは、以前はメモ帳に顧客情報を書き留めるだけでした。しかし、以下のような項目でデータを整理し始めたところ、成約率が4倍に向上しました。

①基本情報

  • 家族構成と年齢
  • 現在の住居形態
  • 勤務先までの通勤時間

②将来の予定

  • 子供の進学時期
  • 退職予定時期
  • 住宅ローンの完済時期

③趣味・関心事

  • 休日の過ごし方
  • よく行く場所
  • 今後チャレンジしたいこと

④不動産に関する具体的なニーズ

  • 希望エリアとその理由
  • 重視する条件とその優先順位
  • 予算に関する考え方

このような情報を整理することで、「お子様の進学時期に合わせた住み替えのご提案」「退職後の生活を見据えた投資物件のご紹介」など、お客様のライフステージに合わせた的確な提案が可能になりました。

具体的な活用方法

例えば、あるお客様との会話で「3年後に子供が小学校に入学する」という情報を得たとします。これを単なる会話のメモとして残すのではなく、以下のような活用をします。

  • 2年後:学区選びの情報提供を開始
  • 2年3ヶ月後:具体的な物件情報の提供
  • 2年6ヶ月後:実際の住み替え提案

このように、将来の重要なタイミングを逆算して、計画的なアプローチを行うことで、成約率は大きく向上します。

3-3.継続的な成長を実現する自己管理術

不動産営業で長期的な成功を収めるためには、日々の自己管理が重要です。特に意識すべきは、毎日の行動の振り返りです。

その日の電話件数、アポイント数、そして成約件数だけでなく、お客様との会話の内容や反応も細かく記録します。「どの言葉がお客様の心に響いたのか」「なぜアポイントを取ることができなかったのか」を分析し、翌日の営業活動に活かします。

また、業界の最新情報や経済動向のチェックも欠かせません。専門家として信頼されるためには、常に新しい知識を吸収し続ける姿勢が必要です。これは単なる情報収集ではなく、お客様により良い提案をするための重要な投資なのです。

4.不動産営業で長期的に成功するための心構え

これまで、電話営業の具体的なテクニックから、日々の習慣づくりまでをお伝えしてきました。これらは全て、不動産営業で成果を上げるために重要なスキルです。

しかし、本当の成功を手に入れるためには、さらに大切なことがあります。それは、長期的な視点に立った心構えです。

4-1.誠実さを軸にした営業スタイルの確立

不動産営業の醍醐味は、誠実な姿勢こそが最大の武器になるということです。これは、私の30年の経験から得た確信です。

売上至上主義から誠実な営業への転換事例

入社5年目のCさんは、かつて「とにかく売上を上げること」だけを考えていました。お客様の状況よりも、自分のノルマ達成を優先していたのです。その結果、一時的に成果は出るものの、長続きせず、紹介案件も全く発生しませんでした。

しかし、あるお客様との出会いが、Cさんの営業スタイルを大きく変えることになります。そのお客様は、Cさんの提案した物件の購入を真剣に検討していましたが、Cさんは調査の過程で、5年後にその地域で大規模な工事が予定されていることを知りました。

本来なら、その情報を伝えることで商談が白紙になる可能性が高いことは分かっていました。しかし、Cさんは「お客様の将来を考えれば、この情報は必ず伝えるべきだ」と決意し、正直に伝えることにしました。

案の定、その商談は白紙になりました。しかし、その後そのお客様から「あなたは本当に誠実な営業マンですね」と言っていただき、他のお客様を次々と紹介していただけるようになったのです。

現在、Cさんは社内で最も信頼される営業マンの一人となり、年間の成約件数の7割以上が紹介案件で占められています。売上も以前の3倍以上に成長しました。

誠実な営業の実践ポイント
  1. お客様にとって不利な情報も隠さず伝える
  2. 無理な提案は決してしない
  3. 分からないことは正直に「分かりません」と伝え、必ず調べて回答する
  4. 約束は必ず守り、変更がある場合は速やかに連絡する

このような誠実な姿勢は、必ず結果として返ってきます。実際に、このような営業スタイルを実践している営業マンの95%以上が、安定した高い成果を維持できています。

4-2.プロフェッショナルとしての自己投資の重要性

不動産営業は、単なる「物件を売る仕事」ではありません。お客様の人生設計に関わる重要なアドバイザーとしての役割を担う、専門性の高い仕事です。

そのため、継続的な自己投資は必要不可欠です。具体的には、不動産に関する専門知識はもちろん、税務や法律、さらには経済動向や街づくりの将来計画まで、幅広い知識を身につける必要があります。

特に重要なのは、お客様の課題解決に直結する実践的な知識です。

例えば、「子育て世帯向けの物件を提案する際に必要な教育環境の知識」「投資物件の提案に必要な収益計算の知識」「相続対策に関する基礎的な税務知識」などは、必ず押さえておくべきポイントです。

ここで、具体的な成長モデルを1つお見せいたします。

【キャリアの成長段階】
入社1-2年目:基本的な接客スキルと商品知識の習得
月収:25-35万円
主な業務:賃貸仲介、売買仲介の基礎

3-5年目:専門知識を活かした提案力の向上
月収:35-50万円
主な業務:不動産売買の主担当、投資物件の提案

6-10年目:高度な提案力と専門性の確立
月収:50-100万円
主な業務:資産活用の提案、相続対策コンサルティング

10年目以降:総合的なアドバイザーとしての地位確立
月収:100万円以上も可能
主な業務:富裕層向けコンサルティング、後進の育成

こんな感じで、不動産営業は、経験と知識の蓄積によって、確実にキャリアアップが可能な職種です。

重要なのは、これらの成長は決して特別な才能を必要としないということです。私が指導してきた数百名の営業マンの中で、真摯に自己投資を続けた方は、ほぼ全員がこのような成長を遂げています。

自己投資は時間もお金もかかりますが、これらの知識は必ず成果という形で返ってきます。プロフェッショナルとして成長し続けることこそが、安定した高収入と、やりがいのある仕事を手に入れる最短の道なのです。

以下に、成長イメージを固めてもらいやすくするために、経験年数に応じた一般的な成長モデルも置いておきます。

▼不動産営業マンの成長ステージと収入モデル
経験年数 主な業務内容 平均月収 習得すべきスキル
入社1-2年目 賃貸仲介
売買仲介の基礎
25-35万円 ・基本的な接客スキル
・商品知識の習得
3-5年目 不動産売買の主担当
投資物件の提案
35-50万円 ・専門的な提案力
・業界知識の深化
6-10年目 資産活用の提案
相続対策コンサル
50-100万円 ・コンサルティング力
・専門性の確立
10年目以降 富裕層向け提案
後進の育成
100万円~ ・総合的な判断力
・指導力の向上
※この成長モデルは、継続的な自己投資を行った場合の一般的な例です

4-3.営業マンとしてのキャリアビジョンの描き方

不動産営業は、経験を重ねるごとに成長できる奥深い仕事です。誠実な営業活動と継続的な自己投資を続けることで、必ずキャリアは発展していきます。

キャリアの初期段階では、基本的な営業スキルの習得に焦点を当てます。電話での会話術やお客様との信頼関係の築き方を学び、一つ一つの商談を大切にしながら経験を積み重ねていきます。この時期に大切なのは、目の前のお客様一人一人に真摯に向き合い、確実に成果を積み上げていく姿勢です。

中堅になると、より専門的な知識や経験を活かした提案ができるようになります。例えば、投資用不動産の提案や相続対策など、専門性の高い案件も手がけられるようになります。この段階では、特定の分野で専門性を高めることで、他の営業マンとの差別化を図ることも重要です。

そして、ベテランの段階では、後進の育成や組織全体の成長にも関わっていくことができます。私自身、15年間のプレイヤー経験を経て、その後15年間は営業マネージャーとして数百名の営業マンを指導してきました。若手の成長を支援し、その成功を見届けることは、この仕事の大きなやりがいの一つとなっています。

おわりに

不動産営業の電話アプローチは、決して特別な才能や技術が必要なものではありません。正しい知識と技術を身につけ、誠実な姿勢で取り組めば、必ず結果を出すことができます。

本記事でお伝えした内容は、私が30年間の経験から導き出した、再現性のある具体的な方法論です。これらの技術は、口下手な方でも、メンタルが弱いと感じている方でも、必ず身につけることができます。

そして、不動産営業の素晴らしさは、単なる収入の向上だけではありません。お客様の人生の大きな決断に寄り添い、その夢の実現をサポートできる、非常にやりがいのある仕事なのです。

私が経験した印象深い事例をご紹介します。あるご家族との商談で、お子様の将来の教育環境を第一に考えた物件を提案させていただきました。それから10年後、そのお子様が見事に志望校に合格されたという報告を受けた時の喜びは、今でも忘れられません。また、老後の住み替えをご提案したお客様から、「あなたのアドバイスのおかげで、安心して老後を迎えられます」という言葉をいただいたことも、この仕事の大きなやりがいとなっています。

このように不動産営業は、お客様の人生に深く関わり、その喜びや感動を共有できる、とても魅力的な仕事です。そして、そのような経験を重ねることで、営業マンとしての自分自身も大きく成長することができます。

ぜひ、この記事で学んだことを明日からの営業活動に活かし、不動産営業の道で成功を収めていただきたいと思います。そして、お客様の人生に寄り添い、価値ある提案のできる素晴らしい不動産営業マンとして、充実したキャリアを築いていってください。

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